設計意図:
鹿児島の街中を少し離れた、昔ながらの住宅地に建つ、築70年の家のリノベーション。この家に70代の父親と、40代の娘が同居する。この家で幼少期を過ごした父親は、家への思い入れが深い。建物中央に位置する和室の二間続きと縁側は、ひと昔前の日本の日常であり、今の非日常である。畳の交換はするものの、床の間、障子、壁は70年前のそのままを残すこととした。外観と庭の梅の木も、そのまま残すことにした。和室以外の全ての部屋は、柱と梁を残し、全て解体し、全く違う間取りとした。基礎を補強し、土のままだった床下にコンクリートを打設し、床、壁、屋根に断熱材を加え、大きなサッシはペアガラスに交換し、温熱環境を大幅に向上させた。